2011 年 5 月 30 日 のアーカイブ

【岡山県 備前市】備前焼…その後。

2011 年 5 月 30 日 月曜日 投稿者:wakkie

こんにちは。

備前市の備前焼教室をご紹介した前回のブログで、陶器といえば「湯のみ」と連想したワッキーです。

もしかすると前回のご紹介で備前焼に興味をお持ちになった方がいらっしゃるかもしれないので、今日は、少し詳しく備前焼について紹介したいと思います(実をいうと、私が一番興味を持ったのですが)。

備前焼は、平安時代の須恵器の流れをくんでいるといわれ、現在のような備前焼が確立されたのは桃山時代であるともいわれます。特に室町時代から桃山時代にかけての備前焼は古備前と呼ばれ、蒐集家にも人気があります。

そんな長い歴史の中で少しずつ洗練されてきた備前焼ですが、その原材料となる「土」は無限ではありません。なぜなら、備前以外でとれた土を使うとそれは備前焼ではなくなるからです。陶芸家の人々は自身で土を確保しているのですが、その残りが自然の中にどれだけあるか、つまり、あとどれだけ備前焼を作ることができるのか、ということは、誰にもわかりません。

ところで、前回のブログでもご紹介しましたが、作り手としては「窯出し」が一番の楽しみ、とのことです。

そこで気になるのが窯で焼いている現場ですが、備前焼は約1200度の温度で、1週間から10日間ほど焼き続けます。そのために使われる薪は、窯の大きさにもよりますが、なんと2万本ともいわれます。

2万本!?

窯の中は一体どうなってしまうのでしょう?

答えは簡単。『数日間にわたって薪を入れ続ける=灰で埋まる』となります。

私も初めて知りました。灰に埋まった備前焼。窯出しした後にやることは、こびりついた灰を洗い流すことなのだとか。

しかし、そんな灼熱の数日間で焼き尽くされるからこそ、あの自然な味わい、あの、何とも言えない独特の風情が生まれます。陶芸家のみなさんは自分の理想の陶器を求めながら、今日も窯出ししているのでしょうか。

私もなんだか無縁ではなくなってきたような気がしますので、今度取材でおうかがいする時に、前回ご紹介した「Nさんの教室」をのぞいてみようかと思います。

備前焼の湯のみ

ちなみに…

窯出しをするための「窯」そのものですが、幅3メートル、奥行き10メートルほどの窯を作るのに、400万円~500万円かかるのだそうです…

ワッキーでした(^_^)/