【ニチコミコラム】祖母から学んだこと
2018 年 11 月 26 日 月曜日 投稿者:ニチコミ皆さんこんにちは、ayaです。
今週から福岡支店のメンバーによるニチコミコラムが始まります。どうぞよろしくお願いします!
人生において誰しも一度は経験する「あの人ともっと話をしておくべきだった」と思うことが私も数えきれないほどあります。
一番に思い出すのは、やはり祖母のことです。
多くの方にとって「おばあちゃん」は身近な存在だと思いますが、私にとって「おばあちゃん」は緊張する存在、家族だけど少し遠い存在でした。決して厳しかったわけでもなく、会うたびにニコニコ「大きくなったね」と言っては、おいしいごはんをたくさん食べさせてくれる優しい記憶しかありません。
今思うと、会う機会があまり多い方ではなかったことと、祖母の方言が強くて何を言っているか小さい頃、よく分からなかったせいか接し方が分からず、甘えたり、話をしたり自分から積極的にしていなかったからだと思います。
従兄弟たちは夏休みずっと祖母の家に泊まるけど、私はどちらかというと居心地があまりよくなく、正直「早く家に帰りたい」と思っていました。そのため、祖母と会話らしい話をした時間はとても短かったと思います。
そんな祖母が昨年4月、97歳で亡くなりました。
腰は随分前から曲がっていましたが、家事をしたり、畑をしたりと休むことなく常に動きまわっていた祖母。最後は車いすに乗って移動することにはなりましたが、亡くなる直前に満開の桜を見に連れていくことができたそうです。
私が最後に会ったのは、お正月みんなで集まった時。祖母は一人でご飯を食べることがやや困難なため、私も食事の補助をしました。言葉数が少なく、黙々と食べる姿を見ると、すっかり元気な頃と姿は変わってしまったけど、私に「あなたも食べなさい」とご飯を無言ですすめる姿は昔のままでした。
帰る間際、祖母から突然「ありがとう」と言われ、なんだか涙が出そうになりました。これが最期になるかもしれないという予感とあわせて「私は何もお礼を言われるような恩返しができていない」という複雑な気持ちでした。
私は老人クラブの会員の方に取材を通してインタビューをする機会が多く、皆さん仕事をしていた当時のことや、ご家族のこと、健康のことなどを、いきいきとお話してくださいます。今思うと、祖母にインタビューをして、これまでどんな人生を歩んできたか、どんな物が好きなのかなどもっと聞いておけばよかったと思います。そして、どんな時もいつも自分のことより他人のためと、自分を後回しに考える祖母に、私こそ「ありがとう」と伝えたいです。
ニチコミの経営理念の中には「誰もがいつまでも活躍できる社会の実現」という言葉があります。私はその言葉には「その人らしい生き方を支える、尊重する」という意味が込められていると思います。多様な生き方がある時代ですが、ともに支え合うことの大切さはいつの時代も変わりません。私も祖母のようにどんな時も相手のために尽くすことができる大きな心を持った人になりたいです。