涙が乾く日

2011 年 1 月 24 日 月曜日 投稿者:t-admin

みなさん、こんにちは。
編集3号・なおたんです。

先日、某所の老人クラブのある席で声をあげて泣いている男性を見かけました。

なおたんの隣の席に座った、会報紙制作でお世話になっている会長さんが、そっと耳打ちしました。

「先日、彼の奥さんが亡くなったんだよ」

生きていれば、いつかは直面する「大切な人との死別」。その瞬間を想像して心の準備ができる人なんているのでしょうか。

長年連れ添った連れ合いを亡くしたら

港区老連のミドリさんも、10年前に最愛の夫を亡くしたひとり。

「私の主人はね、とてもかっこよかったの!」と目をキラキラ輝かせます。永遠の別れから10年経っても、自慢の夫であることに変わりがないようです。

亡くした直後はすっかり落ち込み、入院までしましたが、娘さんの看病で元気を取り戻しました。

退院後、老人クラブの活動で「銭太鼓」に出会い、いまの元気元気なミドリさんがいます。そんな時期があったとは信じられないほど、活発な女性です。

「いまでも、思い出しては『(なんで死んじゃったの)馬鹿馬鹿馬鹿!』って(目の前の空間を叩く仕草)するのよ」と話してくれたのは、同じく港区老連のキミコさん。

キミコ会長の夫は長い闘病生活の末に、その生涯を閉じました。長年の看病生活は、焦りや葛藤との闘い。

近所の増上寺でお参りをしては、夫の回復を祈る日々でした。

それだけに失った時の喪失感は、いかばかりだったでしょうか。想像を絶します。

そんなキミコ会長を救ったのは「コーラス」でした。老人クラブに所属しないとコーラス部に入れないということで、入会し、忙しい日々を過ごす内に、あれよあれよと、会長を任されるように。

「会の仕事が忙しくて」と、予定がびっちり書き込まれているスケジュール帳を見せてくれました。

会報紙制作で出会ったミドリさんやキミコさん、このほかにも連れ合いを亡くしたという方々から異口同音で聞こえてくるのは「老人クラブに入ってよかった」という言葉。趣味が出来て、友達が出来て。生きがいが再び芽生え、喪失感を薄れさせてくれる。

もちろんそれは、お話を聞かせてくれた会員のみなさんにいい出会いがあったからこそで、みんながみんな必ず元気になれる、と言い切れるものではないと思いますが…。

冒頭の男性の涙が乾く日がいつか訪れることを願ってやみません。

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