ブラジル訪問記(1)
2014 年 9 月 16 日 火曜日 投稿者:t-admin
8月28日、弊社代表城戸と東京支社長は日本を旅立ちブラジルの地へ。目的はブラジル日系熟年クラブ連合会への表敬訪問とブラジルにおける高齢福祉の視察です。
関空、成田からドバイを経由し、約24時間のフライトでリオデジャネイロに到着。リオのガレオン国際空港では日本人ガイドの広瀬さん(76)が出迎えてくれました。
ブラジル在住60年という広瀬さんは日系1世の現役女性ガイドさん。ここでいきなり日系の高齢者の方に出会うとは!「リオの日本人ガイドでは私が一番古いですよ」と流暢な日本語に一安心。ホテルに向かう車中では広瀬さんより日系ブラジル人社会について色々なお話を聞くことができました。
「現在のブラジル人が多くの野菜を食べるようになったのは日本人のおかげなのです」トマト、じゃがいも、キュウリ、養鶏等、日本の農業移民がブラジルの農業発展に大きく貢献したそうです。日本人としてとても誇らしい話ですが、ブラジルに来るまでは知る由もありませんでした。
翌日の8月31日には空路でサンパウロへと移動。ここではサンパウロ新聞社、ブラジル日系熟年クラブ連合会(老人クラブ)、ブラジル日本文化福祉協会(文協)、サンパウロ日伯援護協会(援協)への訪問が目的。
9月1日はブラジル日系熟年クラブ連合会とサンパウロ新聞社、ブラジル日本文化福祉協会への表敬訪問。サンパウロのリベ ルターデ(東洋人街)にある熟年クラブ事務局では五十嵐司連合会会長が暖かく迎えてくれました。
事務局は日本でいう「憩いの家」のような建物の中にあり、会員は舞踊や百人一首などのサークル活動を中心に活動しています。この日もサークル活動などで集まった会員の皆さんの元気な声があちこちから聞こえます。
「日本と同様、会員増強に力を入れているがなかなか思うように進まない」と五十嵐会長。 日本の老人クラブと違うのは日本の場合、高齢者人口は増えて会員の加入率が減少しているが、日系ブラジル人の場合は高齢者人口自体が減少していること。さらに2世、3世になると日本文化に対する意識も薄れているという問題もあるようで、五十嵐会長は「少数の日系社会だからこそ日本語はもちろん文化を守り、後世に伝えていかなければならない」と語気を強められました。
熟年クラブでは「老壮の友」という会報紙を毎月1回発行しており、末端の会員にクラブの活動内容を知ってもらえる唯一の媒体として会報紙は大きな役割を果たしています。多くの会員は毎月の会報紙を心待ちにしているとか。広いブラジル内では会報紙はことさら重要なツールとなっているようです。
今回ブラジル日系熟年クラブを訪問して感じたことは、日本の老人クラブ同様に会員増強に苦心されてはいるようですが、ブラジルにおける日系社会の中で帰属意識から生まれる団結力と日本人の誇りをわたしたち以上に強くお持ちになっているということ。
また、異国の地で移民としてご苦労された先輩達の活動と安らぎの場として、そして異国で日本の伝統文化を守って行く心の拠り所として老人クラブが大きな役割を果たしていることを目の当たりにし、改めてブラジルの地でも老人クラブの存在価値を認識することができました。
この度はわたしたちの訪問を暖かく迎えていただきましたブラジル日系熟年クラブ連合会五十嵐会長、サンパウロ新聞社鈴木社長はじめ皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。わたしたちニチコミでも、これから何かお役に立てれることがあればお手伝いしていきたいと思います。