日陰に白い可憐な花が満開になったら、横浜市老連の将棋大会の季節です。
嫌わないでください、こんなに可憐なのだもの
今年の大会は5月28日。会場のうらしま荘では、ABCそれぞれのクラスにエントリーした横浜18区代表が、外の暑さに負けない闘志を燃やしていました。
横浜市老連将棋大会会場
それもそのはず、この大会で上位に入賞すれば、全国大会・ねんりんピックの出場権を獲得できるのです。
対局が終わった人たちが人垣を作って他の対局を見守ります
対局は全部で4回戦。上位を狙う名人たちは実力伯仲。目が離せません。
そんな緊張感の中、ドラマは起こりました。
対局が終わった人たちがテーブルを取り巻くように見守っていました。
考える時間も長くなり、お互いに熟考の末にタイマーのボタンを押す。
交互に繰り返す動作の中で、ある瞬間、片方の棋士がタイマーのボタンを押したとたん
「しまった…!」
奥がタイマー(写真はイメージです)
「……押しちゃった…」
「……?」
対局の相手も、見守る人垣も唖然。いったい何が?
(推測するに、定跡を間違ったのでしょうか)
「負けました」と観念したかのように頭を下げる棋士。
何が起きたのかと、とまどう対局相手。
「いやいや、相手もわかっていないようだから続けては…」
そう言う人たちもいましたが、その棋士はきっぱりと対局を終わらせました。
黙っていたらわからない。でも、失敗したことは自分がいちばんよく知っている。
好きな将棋だから、真剣に将棋盤に向かっているから、ごまかすことができない。
アマチュア棋士の心意気を見せてもらいました。
かっこいいぞ、老人クラブ!
そんなドラマもありながら、真剣で熱い全対局が終わりました。
上位入賞者のみなさん
〈Aクラス〉
優 勝:南 区
準優勝:栄 区
第3位:鶴見区
〈Bクラス〉
優 勝:旭 区
準優勝:瀬谷区
第3位:保土ヶ谷区
〈Cクラス〉
優 勝:栄 区
準優勝:保土ヶ谷区
第3位:旭 区